コネクター(connector)は電気・電子回路の情報信号を、機械的・電気的に接続を容易にするために使用される電子部品です。
電子回路は半導体技術の飛躍的進歩に伴い、微小、大集積化を可能としてきました。しかし全てを半田付け接続された永久的接続から、必要に応じて取り外しが出来ることは大切なことです。 このことは装置内部におけるプリント基板間の接続や、外部からの入力・外部への出力等が、コネクターを使用することで可能になりました。
一例として、多極コネクターを使用することで、マザーボード、ドータボードへの適用を広めました。一方 IT産業は技術進歩に伴い、取り扱う情報信号の周波数が、MHz(メガ・ヘルツ) から GHz(ギガ・ヘルツ)へと高い周波数・広い周波数帯を使用することで、多目的・多用性を実現しています。
注:(1MHz=1x106Hz 1GHz=1X109Hz)
半導体や集積回路は能動的要素の機能部品。 これに対しコネクターは受動的要素の機構部品と呼ばれています。一般にコネクターは各1対で接続(勘合)され、オスピン(プラグ)⇔メスピン(ジャック)間での挿入・挿抜となります。
高周波帯域では信号の入力・出力に、電子回路との整合性を持たせるために同軸コネクターが使用されます。
システムを構成する上で、目的に応じた当該コネクター・適合接続ケーブルを選択することが必要になります。
特に使用上限周波数が、1GHz 3GHz 6GHz 10GHz 10GHz以上等で考えるのも一つの目安になります。高周波用にはSMAコネクター、SMBコネクター、Fコネクター等が一般に使用されています。
尚、仕様に関しては下記の基本用語を利用すると便利です。
- 1)特性インピーダンス:Z0 (50Ω系、75Ω系の選択)
- 1-1 Z0 = 50Ω(例:SMB/4GHz max.)
- 1-2 Z0 = 75Ω(例:F/3GHz max.)
- 2)同軸ケーブル仕様 :代表的種類 (50Ω系、75Ω系の選択) * コネクターの特性インピーダンスに対応すること。
- 2-1 Semi-Ligid Coaxial Cable (例:内部導体を直接 Plug Pinに加工 etc.)
- 2-2 Semi-Flexible Coaxial Cable (例:外部導体 外径 Φ2.1mm etc.)
- 2-3 Coaxial Cable (例: 1.5D-2V or 1.5C-2V etc.)
- 尚、特性インピーダンス Z0 = (138/√εr )*log ( D/d ) Ω
- εr : 誘電体の比誘電率 D/d : (外部導体の内径/内部導体の外径)
- 3)高周波特性:DUTの周波数に対する評価 DUT:Device Under Test
- 3-1 abs(Γ)反射係数:Reflection Coefficient(<1.0)
- 3-2 VSWR電圧定在波比:Voltage Standing Wave Ratio(>1.0)
- 3-3 R.L.(dB)反射減衰量:Return Loss
- 3-4 I.L.(dB)挿入損失:Insertion Loss
- 3-5 Pt. ( % )伝送電力:Transmitted Power
- 高周波用DUTの計測は簡単ではないが、専用の試験機(VNA:Vector Network
Analyzer)を使用してDUTの評価をする事は可能です。又、当該する項目は下記相関性を持っています。
- VSWR=(1+Γ)/(1-Γ)
- R.L..=-10log (Γ2 )(dB)
- (dB)I.L..=-10log (1-Γ2 ) (dB)
R.L.(dB) |
abs(Γ) |
VSWR |
I.L..(dB) |
Pt. ( % ) |
*** |
*** |
*** |
*** |
*** |
10 |
0.3162 |
1.92 |
0.46 |
90.00 |
15 |
0.1778 |
1.43 |
0.14 |
96.84 |
20 |
0.1000 |
1.22 |
0.04 |
99.00 |
*** |
*** |
*** |
*** |
*** |